今年は雪の日が多いですなぁ。
σ(^^は京都府の日本海側に住んでいるのですが、
今年は雪の降り出しが早くて、しかも降るとしっかり積もってしまっています。
雪の日は、交通状況が悪くなるので、20分ばかり早起きをしなければなりません。
今朝は雨の音で目が覚めたのですが、雨なら安心だなと二度寝してしまいました。
で、いつも通りの時間に起き直して外を見るとびっくり!
一面の銀世界じゃないですか!ホント、あっという間に(^^;
冬将軍というものは手がつけられません。
さて、手がつけられないといえば、あのバケモノ(^^
また、やってくれました♪
障害者アルペンスキーワールドカップ。
スイスサンモリッツ大会最終日、Slalom(SL:回転)の2レース目。
また、「見てきたように」書いていきますよ(^^
(注:リザルトのダウンロードが調子悪いようです
根気よくリロードすれば成功するときもあります^^;)
ようやく、待ちに待った快晴!青空が広がりました!!
朝、眠い目をこすりながら出撃の準備をする選手たちに、
冬の暗闇を打ち破る日差しが山の向こうから差し込みます。
これまで、悪天候で鬱屈としていた気持ちも、
気がつけば鼻歌のメロディーに乗ってどこかへ。
まるでピクニックにでも出かけるような雰囲気が選手たちを包んでいきます。
吸い込む冷気が鼻の奥を締め付けたりしますが、これもスキーの醍醐味♪
最高のコンディションで最高のレースが始まろうとしています(^^
会場には少しずつ増えていく観客たち。
まだスタート時間には早いはずなのに、
すでにアツいレースを期待するテンションで包まれています。
コースでは選手たちがインスペクションを開始。
標高差140mのステージでは、
まだ決まっていない主役の座を射止めるべく、
台本のない演出が組み立てられ始めています....
1本目のCourse Setterは地元スイスチームのコーチ。
満を持して母国のファンたちに最高のコースを設定しました。
ゲート数45、ターン数44。対標高差は31.4%。
選手たちはコースを読み、ありとあらゆる可能性を組み立て、
フィニッシュエリアに飛び込んだ瞬間の、突き上げる拳までイメージしているはずです。
天に突き刺さる拳は、どの選手のものでしょうか。
女子選手が20名。
男子はビブナンバー(ゼッケン番号)21番から。
Visually Impaired(VI:視覚障害)クラスが21番から31番、ジャパンのエントリーは無し。
Standing(立位)クラスは32番から59番。
ジャパンチームは三沢拓選手が49番、小池岳太選手が59番のスタート。
Sitting(チェアスキー)クラスが60番から85番。
ジャパンチームは、森井大輝選手62番、鈴木猛選手65番、
狩野亮選手77番、夏目堅司選手85番。
17カ国68名がこのステージに名乗りを上げています。
....スタートハウスでは様々な思いが交錯し、
そのざわめきはスタートバーに近づいていくごとに静かになっていく。
いや、静かになっていくのではなく、選手たちの耳には入らなくなる。
雑音は心臓の鼓動に取って代わり、選手たちの意識はコースへと集中していく。
「Ready....Go!!」
その静寂を破るのはスターターのタイミング。
バーをこじ開けた先に広がるのは、自分一人だけが滑ることを許されたコース。
しばらくはいくつかの単調なオープンセット。
コースは荒れ始めているとはいえ、昨日までほどではない。
いや、荒れた雪面とは言えない。
何十人かのライン、そのさらにイン側を抉っていく。
正面には青空と白い山、そして麓の家々。
その谷間へ落ちていくかのように加速度を増す。
ヘアピン、ディレードゲート、ストレートにまたヘアピン。
セッターが仕掛けたトラップ、リズム変化も通用しない。
センターラインだってしっかり見えている。
滑りが破綻する要因は何もない。
自分の意識とは関係のない世界で、
体が、スキーがオートマチックに動いていく。
短い。
こんな短いコースだったのか?
いま、世界中でおれがいちばん速い....
世界一厳格な審判が下した判定、それがリーダーズボードに表示される。
その一番上に躍り出たのは.....
「1 65 SUZUKI Takeshi JPN 41.76」
観客も、先に滑り降りていた選手たちも一斉に歓声を上げた!
照れくさそうに小さく拳を突き上げる鈴木選手。
この順位が、1本目の最後まで覆ることはなかった....
いやいや、見応えのある滑りでしたなぁ(^^ジッサイニハミテナイケド
では、1本目の順位を確認!
Standingクラス
三澤拓選手 6位
小池岳太選手 18位
Sittingクラス
鈴木猛選手 ラップ(トップタイム)!
森井大輝選手 6位
狩野亮選手 DNF
夏目堅司選手 DNF
ところで、σ(^^もみんなから話を聞いたことがあるんですが、
「世界最強」といわれる、チェアスキー「トリノモデル」にはたったひとつだけ弱点がある。
それは、その独特のリンク構造がSLにだけはマッチングしていないのだと。
ただ、鈴木選手だけは、トリノモデルのSLを乗りこなしている。
LW12-2だからこそ乗りこなせるのか、鈴木選手だからそうなのか?
みんな、さんざん研究を重ね、フレームに改良を加え、
森井、鈴木、狩野の3選手には、モディファイ済の新型が供給されていますが、
SLへの対応はまだ出来ていなさそう。
σ(^^もその原因を考え、オリジナルの改良をしたことがあります。
トリノモデルのリンク構造は沈み込むと重心が後ろに下がるため、
その重心を戻す動作がSLのリズムに合わないというもの。
重心を戻す動作が少なくて済むよう、
ばねを締め込み余計なストロークを殺し、
必要な動きのみを出せるよう車高を下げ、
実走テストをしたことがあります。
ばねを締め込んだこと反発が強まり、
重心を戻す作業はばねが勝手にやってくれます。
一方、車高を下げ、リンクがいちばんいい動きをするところのみを可動域に。
結果は、狙ったとおりにチェアスキーの動きを表現することが出来ました。
それまでの動きが量産型ザクだとしたら、調整後の動きはまるでシャアザク!
ヨクワカラナイヒョウゲンデゴメンナサイ(^^;
ただ、その反応は過敏すぎて、
ニュータイプでないσ(^^に乗りこなせるものではありませんでした。
森井選手にもそのセッティングを試してもらったことがあるんです。
間違いなく「ニュータイプ」の森井選手は、いとも簡単に乗りこなしました。
そして、手計測のタイムでも速くなっていました(^^
が、「だめだ。じゃじゃ馬過ぎて。レースではリスキーだ」という評価。
なかなかうまくいくものではないですねぇ(^^;
ああ、チェアの開発をしたいなぁ....
さて、σ(^^が妄想を爆発させている間に、2本目のインスペクションが始まりました。
セッターはオーストラリアのコーチ。
ゲート数42、ターン数41。対標高差29.3%。
少しだけ、ゆったりとしたセットになったかな?
1本目ラップの鈴木選手は、
Sittingクラス上位15名の順番をひっくり返した15番目のスタート。
ビハインドを背負ってスタートする選手たちの結果を聞きながら順番を待つこととなります。
この時の、16番目にスタートする選手はどんな気持ち?
鈴木選手とは約10秒差。
絶望的な気持ちなのか、それともまだまだ速くなれると確信しているのか。
一方、コース上へは、鈴木選手とのビハインドを背負う選手たちが次々と降りていきます。
彼らは何と戦うのか。タイム差か、自分自身の闘争心か。
....スタートハウスに、ひときわ目立つレッドビブが現れる。
その王者の風格というべき存在感は、会場の目を釘付けにする。
風に舞う木の葉のようにスタートバーが空を切る。
まるでミシンが布を縫うように進んでいくスラローマーは見る者を魅了し、ため息をつかせた。
逆手でポールを振り払っていくその姿。
「史上最強最速」のスラロームコンペティター。
その滑りに逆らうものは何もない。
他のライバルたちも、林立するコース上のポールも....
彼がフィニッシュエリアに降り立ったとき、最高の芸術作品が完成した。
その直前まで、誰よりも高いところに名を掲げていた選手、
彼は誰よりも2本目を速く滑りきったと確信していたはずだ。
しかし、その圧倒的な結果を目の当たりにしたとき、
神の加護がなかったことを思い知らされる....
「1 65 SUZUKI Takeshi JPN 1:23.10」
この無機質な電光掲示板は、観客たちを熱狂させたこと、自覚していたであろうか....
2位との差は2.37秒!
この勝利を「パーフェクト」と表現する以外に言葉が見あたらない!
おめでとう!鈴木猛史選手!
いやぁ、その瞬間を想像するだけでトリハダが立ちましたよ(^^
現地にいたらきっと発狂していたに違いない♪
さあ、このレースの最終順位を確認しておきます。
Men's Slalom1
Standingクラス
7位 三澤拓選手
15位 小池岳太選手
Sittingクラス
優勝 鈴木猛史選手
4位 森井大輝選手
σ(^^も気にしていた三澤拓選手は、無事に入賞することが出来てなりより。
森井選手も2本目は3番時計と巻き返しを図りましたが、0.21秒届かず惜しくも4位。
小池選手は、ちょぃと波に乗りきれなかったかな?
残念なのは狩野、夏目の両選手。
特に、夏目選手はSLのポイントを獲得することが出来ずに、一旦帰国ということになりました。
明暗がはっきりとわかれてしまった前半戦。
日本でリフレッシュして後半戦を迎えてください(^^
さあ、ワールドカップもこれで前半戦が終了です。
ポイントランキングはどうなったでしょうか。
Men's Slalom Standings
Standingクラス
10位 三澤拓選手 86Pts.
11位 小池岳太選手 81Pts.
Sittingクラス
1位 鈴木猛選手 380Pts.
4位 森井大輝選手 171Pts.
13位 狩野亮選手 66Pts.
Standingクラスは、三澤選手が小池選手の上に躍り出た!
鈴木選手は2位との差を105Pts.まで広げました!
タイトル獲得までのマジックは195Pts.です!(^^
森井選手にもまだ、SLのタイトル獲得の可能性は残されていますよ♪
ここでひとつお詫びです(^^;
昨日の投稿では、鈴木選手のマジックを間違っておりました。
SLの残りレースの数をひとつ少なく数えていたのです。
訂正してお詫びいたします。
そして、混迷の度合いを深めるOverAllランキング!
Men's OverAll Standings
Stabdingクラス
13位 小池岳太選手 157Pts.
16位 三澤拓選手 118Pts.
Sittingクラス
1位 鈴木猛選手 422Pts.
5位 森井大輝選手 341Pts.
15位 狩野亮選手 126Pts.
25位 夏目堅司選手 12Pts.
ここでさらに、もうひとつお詫びです(^^;
昨日の投稿では、今期のワールドカップはあと7レースなんて書いていましたが、
後半戦はログア大会(スロベニア)で、GS×2、SL×2の4レース。
最終戦ソチ大会(ロシア)でDownHill(DH:滑降)×2、
SuperCombi(SC:スーパーコンビ)×1、
SL×1の合計8レースが予定されています。
まだまだ、OverAllタイトルの行方を語れる時期ではありませんでした。
本当に申し訳ないですなぁ....(^^;
気を取り直して....
まずはこれで、ジャパンチームは一旦帰国。
久しぶりの日本で、いい気分転換が出来ますように♪
みんな、お疲れ様!!(^^
しかし、今日は調子に乗って書きすぎたかな?(^^;
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