一緒に耐えよう、立ち直ろう!東北! がんばろう!日本!

2013年2月13日水曜日

Who is the man?....


障害者アルペンスキーワールドカップ、後半戦が開幕しました!(^^

会場はスロベニアログラ。再び、熱い戦いが繰り広げられようとしています。

まずはSlalom(回転:SL)から始まりますよ♪


ところで、スロベニアって、日本からはあまりなじみのない国ですよね。
                               σ(^^;ガシラナイダケ?

かってはユーゴスラビアという国だったと言えば、

そういえば聞いたことあるかもという方は多いはず。

スロベニアはユーゴスラビア連邦から1991年に独立した、随分と新しい国のひとつです。


ユーゴといえば一時、

セルビアとかボスニアとかコソボとか内戦が続いていた時期がありました。

ミロシェビッチという独裁者が無茶したとか、

それでNATO袋だたきにあったとかというニュースもよく流れていました。


幸い、スロベニアは西ヨーロッパに近かったことや、

独立のタイミングや地理的条件に恵まれ、

泥沼の独立戦争は経験せずにすんだようです。

また、旧社会主義国の中ではいち早く経済成長とげています。


それよりも何よりも、スロベニアといえばエラン

エランといえば森井大輝選手三澤拓選手

ジャパンチームのエランユーザーたちが、

そのスキーの母国を舞台にワールドカップを戦います♪

この二人の活躍やいかに?


いよいよ、その第1戦が始まろうとしております!

いつものようにリザルトから読み解く、妄想たっぷりのシリーズ、

リザルトをお手元にお楽しみください(^^


ついでに言っておきますが....

エランはσ(^^が使用していることでも有名です(大嘘)。


さあ、会場に目を向けてみましょう。

コース沿いには本当にたくさんのお客さんが陣取り、

レースのスタートを待ちわびているようです(^^

その熱気はまるで雪も溶かそうとするほど。


お天道様は姿を隠し、気温は-10℃を下回っているというのに、

寒そうにしているファンは誰一人としていません。


コース上、今はインスペクション(コース下見)の真っ最中。

インスペクションは、アルペンレースの7割を占めると言われるほど、重要な作業。

このインスペクションは、文字通り勝敗を分ける時間なのです。


さて、これから最高のレースが繰り広げられる、

コースプロファイルをご紹介しましょう!


スタート標高1,493m、フィニッシュ標高1,362m標高差が131mのコース。

SLのルールでは標高差は140m~220mとなっていますので、

ほんの少しだけ短いコースですね。


コースセッターはオーストリアのコーチ。

ゲート数40ターン数39標高差に対するターン数は29.7%


ルール上、ターン数のミニマムは、

標高差の30%-3の36ターンですので、

かなりスピードの出るセットでしょうな。


標高差の少ない短いコース、そして、ターンが少なくスピードが出るセット。

スピードが出ているところでのリズム変化やトラップがあり、

それらをきちんと処理できなければ大きくスピードを落とし、致命傷となります。

ワンミスで「終わってしまう」この1本目は、どれだけ集中できるかが勝負になりますな(^^


では、ここでスタート順の確認をしておきましょう。

女子選手が3カ国7名。

7名??えらく少ないな....


男子はビブナンバー(ゼッケン番号)8番から。

Visually Impaired(VI:視覚障害)クラスが8番から13番、ジャパンのエントリーは無し。


Standing(立位)クラスは14番から28番。

ジャパンチームは三沢拓選手が20番小池岳太選手が24番のスタート。


Sitting(チェアスキー)クラスが29番から40番。

ジャパンチームは、狩野亮選手30番森井大輝選手35番

            鈴木猛選手37番夏目堅司選手40番

以上、8カ国33名のエントリーです。


今回のエントリー、やっぱり少なすぎるぞ??

どうなってんだ???有力どころがごそっとエントリーしていないんです。....


ははぁ、わかったぞ。

このログラ大会の直後、2年に一度の世界選手権が予定されているのですが、

移動のスケジュールが何ともタイトなんです。


14日にログラのスケジュールを終え、

スペインラモリーナへ移動。その距離3000km!

「ちょっと移動」どころではないわけで、

18日から行われるDownHill(滑降:DH)のトレーニングランまで余裕がなさ過ぎ(^^;


で、今回エントリーしていない選手は、

世界選手権に「賭けて」いるということなんでしょうな。

なんてったって世界選手権は、まさに国の威信も賭けて戦うわけです。


ワールドカップの個人ランキングを犠牲にしてでも、

「獲り」にいかなければならない大会。

チームの方針も多分に影響しているのでしょう。


ジャパンチームはどうなの?

彼らは、そんな柔なチームじゃありません♪

きっと何事もなかったように世界選手権もやっつけてくれることでしょう(^^


さて、インスペも終わり、いよいよスタート時間が近づいてきております。

スタート前だというのに、ジャパンチームはいつもどおり和気藹々。

とんがった闘志は感じられません。


有力どころがいない間にワールドカップポイントを稼いでおこうか♪

鈴木選手なんか、あわよくばSLのタイトルを獲ってしまえ!的なことを企んでいたりして(^^


ですが、なにかいつもと違うような....

あれ?狩野選手がいないぞ???


「亮?なんか熱出したみたいだよ?」

え!スタートできないほどの高熱なのかい....?

そりゃ大変だなぁ(^^;


脊髄損傷による麻痺を持っている選手は健常者より体の免疫機能が低く、

突発的に原因不明の発熱を引き起こすことがあります。


これはフィジカルコンディショニングの問題ではなく、

どんなに気をつけていてもあり得ることなんです。

大事に至らなければいいのだけども....


ここでお断りですが、このシリーズはリザルトだけから想像する連載です。

本当に、発熱でのDid not start(不出走:DNS)かどうかは定かではありません。

もしかしたら何か違う理由でのDNSかも知れません。あしからず....(^^;


VIクラスが静かなスタートを切っていくのを皮切りに、

SL1本目が始まり、....そして終わった!

その結果はこうなった!


Men's Standingクラス
小池岳太選手 8位
三澤拓選手 5位

Sittingクラス
森井大輝選手 1位(ラップ:トップタイム)
鈴木猛史選手 2位
夏目堅司選手 9位


森井選手、ラップですよ!

スペシャルスラローマー鈴木選手を0.05秒押さえて!

鈴木選手がミスをしていたのではないことは、

Standingクラスのタイムと比べても一目瞭然です。


誰だよ?トリノモデルはSLに向かないなんていったのは(^^;


森井選手の後にスタートした鈴木選手は、

スタートハウスで森井選手の滑りを見ていたはず。

そして、フィニッシュした後、こう言ったかも。

「大輝さんの滑り、ヤバかったっすよ!」

....なんてね(^^


同じくエラン乗りの三澤選手も、

Standingのトップタイムから2.23秒遅れとまずまずのタイム。

2本目は大いに期待できます(^^


前半戦、SLが不調だった夏目選手だって、森井選手から遅れること3.05秒。

ここにきて安定感を増しているように思います。

2本目が楽しみですよ!


午後に入っても天候は曇りのまま。

気温は変わらず-11℃前後。


朝からがっちりとハードパックされた雪面は、

ガチガチのまま緩む気配はありません。

間違いなく、2本目も最高のレースになるはずですよ。


コースセッターはロシアのコーチ。

ゲート数46、ターン数44。

対標高差で33.6%。

ルール上、標準的なセットのようです。


ターン数が増えればスピードは落ちます。

その分、ターンのリズムは細かくなるので、

ひとつひとつのターンとその「繋ぎ」に精度が求められていきます。


つまり、上から下まで気を抜くことは出来なくなり、

ほんの少しのロスが積み重なっていくと、

コース終盤には何らかの形でラインの修正を余儀なくされ、

タイムは大きな影響を受けることになるでしょう。


しかも、-10度以下で冷やされた雪面は「ちょー」ハードパック。

まるで綱渡りのような、神がかり的スキーが求められます。


このコース、果たして神は降りてくるのか?

それは誰に乗り移るのか?

最終結果はこうだ!(^^


優勝 森井大輝選手!

2位の鈴木猛史選手をわずか0.08秒差で従えての堂々のウィナー!

今回、この二人の戦いは激しすぎました(^^


1本目は0.05秒、2本目が0.03秒!

いったいどんな差だよ?ってことで恒例のフィニッシュ時の距離計算♪


131mの標高差平均斜度が25%として、

37.28秒で降りてきた時の平均時速は50.6km/h


その時速でフィニッシュした場合、

0.05秒差というのは実に70cm!

2本目は0.03秒差で42cm!!

まさに手を伸ばせば届く距離!!!

こいつら、アツすぎる(^^


さらに面白いのが、上位6名のうちトップ2だったふたりは、

2本目は5位と6位に終わったということ。


ふたり揃って同じようなミスをしたというのではなくて、

きっと、トリノモデルの特性が生かされた1本目と、

逆に弱点が出た2本目ということが言えないでしょうか?

言えないですか。そうですか....(^^;


まあ、他の4名の選手たちが、

どのチェアスキーに乗っているかはわかりませんので、

これもあくまで「想像」の話。


では、この日のレースの結果をおさらいです。

Men's Slalom 

Standingクラス
5位 三澤拓選手
8位 小池岳太選手

Sittingクラス
優勝 森井大輝選手
2位 鈴木猛史選手
9位 夏目堅司選手
DNS 狩野亮選手

と相成った!(^^


三澤選手は調子を取り戻しつつあることが結果から見て取れます。

タイム差4.56秒ながらレースポイントが34.40ですから、

これはもう、まずまずの結果です。


そして、これまでSLでワールドカップポイントを獲得していなかった夏目選手も、

29Pts.をあげ、レースポイントも38.39と、こちらもしっかりと結果を繋ぎました(^^


そしてそして、注目のSLポイントランキングはこうなりました!

Men's Slalom PointRankings

Standingクラス
8位 三澤拓選手 131Pts.
11位 小池岳太選手 113Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛史選手 460Pts.
3位 森井大輝選手 271Pts.
15位 狩野亮選手 66Pts.
21位 夏目堅司選手 29Pts.


鈴木選手と2位のBONADIMANN Philipp選手との差は145Pts.

今期のSLはあと2レース。


ということは?

明日、初の種目別タイトルを獲得するという快挙に??


タイトル獲得対象は3位の森井選手まで。

Philipp選手が残りふたつを優勝して合計200Pts.を挙げたとしても、

鈴木選手が明日、3位で60Pts.ゲットすればタイトル獲得!


Philipp選手が残りひとつを5位の45Pts.以下で終え、

かつ、森井選手が残り2つを獲り200Pts.を加えても、

鈴木選手は2つのレースで合計12Pts.を挙げるだけでタイトルゲット!


12Pts.というのは19位で獲得出来るポイントです。

まさにチェックメイト

明日のリザルトは絶対に目が離せない!!


一方、混迷の度合いをますます深めるOverAll Rankingsはこうだ!

Men's OverAll PointRankings

Standingクラス
11位 小池岳太選手 189Pts.
14位 三澤拓選手 163Pts.

Sittingクラス
1位 鈴木猛史選手 502Pts.
2位 森井大輝選手 441Pts.
16位 狩野亮選手 126Pts.
24位 夏目堅司選手 41Pts.

有力どころがエントリーしていないこのログラ大会では、

大きく順位変動があるかも知れません(^^

ひとつずつ見守っていくことにしましょう!


そして、狩野選手は無事にスタートを切れますように♪


さあ、明日の夜は祝杯かな?(^^
       デモ、マイバンノンデイマスケドネ....

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