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2015年2月16日月曜日

パラリンピアンを相手に....

お待たせしました(?)

「参戦記」、再開です(^^


前に、国内での若手選手が育ってこないという記事を書きました。

やっぱり、この大会でも事情は変わっていませんでした。

みんな一生懸命トレーニングをしているのでしょうけども、

もうひとつ伸びきっていないようですねぇ....


ということは、往年の名プレーヤーたちは、

まだまだ隠居出来ないということですか(^^;


Day2、大回転(GS)よりさらに技術的要素の強い回転(SL)ではその傾向がより強まります。

くるくる回って、しかも速くなければならないのですから、

それまでに培った財産の大きな選手の方が非常に有利なわけです。


この日のSLは、往年のパラリンピアン、

リレハンメル大会で銅メダルの高村俊彦選手、

トリノ大会代表の長谷川順一選手、

のお二人とクラスを共にすることとなりました。


現役時代と変わらぬ眼力でコースインスペクションに臨むお二人。

σ(^^や純也さんといった「元 国内残留組」はどう戦うのか?


リザルトをお手元にご覧下さい♪


アルペンレースでは、インスペクションタイムが、

そのレースの7割を占めると言われるほど重要な時間です。

すでにコースではレースの火ぶたが静かに切って落とされていました。


SLでは、GSなどよりはるかに多いゲートが並びます。

全てのゲートの並びを覚えて、何本のゲートがあるか数えて....

というインスペクションを行う選手がいますが、

σ(^^は覚えが悪い上に邪魔くさがりなのでそんなことはしません。


オープンゲートが並ぶ区間の「センターライン」の方向だけ覚えて、

ヘアピンやストレートと言った「リズム変化」のところの入り方と、

「次」のセンターラインの方向だけ確認します。


斜面変化とかそんなことはそんなに気にもしません。

「何があろうがねじ込んでいけ!」というかつての師匠、

元ナショナルチームコーチの言葉を肝に銘じるだけです。


実際に、センターラインを「見据えて」「ねじ込んで」いけば、

板はしっかりとゲートを捉えて最速ラインを刻んでいくのです。


考えすぎたり構えたりすればするほど、

板は言うことを聞いてくれなくなるので、

本当にスキーは面白いものです(^^


この日の1本目は、

スタート~ヘアピン~ヘアピン~ディレード(ツーゲート)~ストレート~ヘアピン~フィニッシュ

というリズムで構成されていました。


少し気になっていたのは、

3年ぶりのSLで、ヘアピンやストレートと言ったセクションに体がついて行くのか?

ということでした。


タン、タン、タタンと細かくなるリズムのところでは、

切り返しが遅れてしまうことがよくあります。


回しきれなくて板を横に向けたり、

少しふくらんでアウトリガー(手に持っているヤツ)がゲートにひっかったりと、

目も当てられないようなミスをしてしまうことが大変多うございましたσ(^^;


気になっていたのはその一点だけ。


ゲートインターバルはとても広く、ターン弧が大きすぎて、

逆にスキーのラディウス(サイドカーブ)に合わないのではないかと思うほど。


回さない。

ひたすら下へ下へと落ちていく。

その意識を大事に出来るかどうかが勝負の分かれ目かなぁ....


でも、そんなことはパラリンピアンたちには十分承知のはず。

さてさて、どこまで食い込めるかな?


インスペクションが終わり、リフト上でかつてのライバルが声を掛けてきました。

「おれには解る。ろぼが後半に消えていくのが。もう、ぷんぷんと臭うね(笑)」

スタート前になんて不吉なことを言うんだい?(^^;


この選手とσ(^^はチェアスキーデビューがほぼ同時期。

「永遠のライバル」と表現していたほど、同じような順位(下の方)で絡み続けてきました。

そんな関係ですから、よくわかるのでしょうねぇ。


「ろぼは、滑ってて気持ちよくて、

 どんどんとスピードを上げていって、

 斜面変化のところで消えるね」


絶対イヤだ(^^;


でも、言われてから思い返すのですが、

「消えていく」ような局面に心当たりがないのです。

どこまでσ(^^の頭の中がピンク色なのか、

純粋なタイム差だけではない勝負も始まろうとしていました。


σ(^^のビブ番号は19。

二輪の世界で神と崇めるあの方のゼッケンと同じです。

σ(^^に神は降りてくるのか?


すでにしびれを切らしていたσ(^^は、コースへ飛び出しました。


....1旗門目からポールをなぎ倒し、

その感触をきっかけにスキーを切り返す。


下へ下へ落ちていくスキー。

体は追従。

ターンの度に増すスピード。


ひとつ目のヘアピン。

進入角度はイメージ通り。

切り返しのエッジタッチもイメージ通り。


体は鈍っていない。

足回りのセッティングが、かつての記憶を完全に呼び起こした。


センターライン。

見えている。

その線上から重心が外れない。

ディレードの大きなターン弧から仕掛ける次のライン。


その向こうには、「行き止まり」に見えるストレート。

バラララッというポールをなぎ倒す感覚。

木々をくぐり抜け、もう一度方向を変える。


逆らわない。

全て、引力に身を任せて。


最後のヘアピンを抜けた時、

センターラインはフィニッシュエリアへ吸い込まれていった....


電光掲示板を見たσ(^^は、高々と拳を突き上げました。

同時に歓声がフィニッシュエリアに沸き起こります。

ほんと、気持ちいいものですね(^^


ナショナルチームの面々は、

世界を舞台にこんな気持ちよさを経験しているなんて、

実にうらやましい♪


祝福の輪の中に入っていって一息。

次は、σ(^^に暴言を吐いた(?)かつてのライバルの番。

まだこれから降りてくるのですが、

降りてきてから何を言うのか楽しみに待つことにしました(^^


彼がフィニッシュエリアから見えるところまで降りてきました。

はっきりと独特なフォームが見て取れます。


次の瞬間!

舞い上がる雪煙!!

もんどり打って転がる体!!!


ああ、やっちまった....

後でよくよく聞けば、アウトリガーの部品のトラブルのようで、

ターンイン直後に、長さを固定していたはずのアウトリガーが急に縮んじゃったとか。

で、突然バランスを崩して転けちゃったと。

まあ、怪我がなくて何よりでした(^^;


アウトリガーに頼るチェアスキーにとって、急に長さが変わるなんて致命傷ですなぁ(^^;

DNF(Did not finished:途中棄権)で下まで降りてきた彼の気まずそうな顔ったら♪

スタート前に言われた分の13倍返しで冷やかしてやりました(^^


さてさて、1本目のリザルトですが....

ラップ(トップタイム)がσ(^^、

約1.2秒差で2位に高村選手、

3位は3.2秒差で長谷川選手と相成った♪


元パラリンピアン相手に大健闘でしょ?(^^

でも、高村選手相手に1.2秒差はあってないようなものです。


本気で逃げなきゃ、すぐに食われてしまいます。

さてさて、どこまで張り合えるかな?


次回、Day2後半「パーフェクトウィン!」

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